作戦決行

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作戦決行

「ティアラ!」 約束の時間、私は昨日の河川敷の橋で、ティアラを待っていた。 「妖精さん、お待たせ!なんか顔色悪くない?」 ティアラが心配そうに差し伸ばした、小さな手に座り込む。 「大丈夫大丈夫。ただの二日酔いだから。」 私は、しゃがれた声で答えた。 ラーファエルとあのまま飲み明かした結果、私を寝不足と二日酔いのダブルコンボが襲っていた。 「ふつかよい?ってなあに?」 まだ6歳のティアラには、わからないか。 「二日酔いっていうのは…、えっと、お酒を飲みすぎた後に頭が痛くなる現象かな。すぐ治るから大丈夫だよ!」 「そっか!もう飲みすぎちゃダメなのよ!」 幼い子供に正論を言われると、ぐさっと刺さるものがあった。 今ごろ、私より派手に飲んでいたラーファエルは、どんな有様になっているのだろうか。想像もつかない。 「ところで、すごいさくせんってなに?」 ティアラは随分と期待を膨らませているようだ。私に顔を近づけて、期待の眼差しをこちらに向けた。 思わず、顔がにやける。 「とりあえず、一緒に遊園地行こっか! よいしょ!」 私は、腰に下げていた、魔法の(ストレージ)の中から、遊園地のチケットと、昨日ラーファエルと作った、空間転移スクロールを取り出した。 「すごい!どうやって畳んであったの?あれ?折り目がない!?」 ティアラは、この魔法のカバンに興味深々のようだ。 「その白い巻物を破ってごらん!」 ティアラはスクロールを受け取ると、大きく縦に破り切った。 ビリッ。 「ここは!?」 気がつくと、私とティアラは、遊園地のゲートの前に着いていた。 ひとまず、スクロールが上手く機能したことに安堵する。 楽しむ子供達の声、軽快な音楽。キャラメルポップコーンの匂いが漂う遊園地で、私は作戦を決行した。 昨日の夜、ラーファエルに教えてもらった作戦。それは…
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