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(もしかして、聞かれていたかな)
私はサーッと血の気が引いて、苦笑いをしながら四人に対峙することが精一杯。
「あのさ、そういうところだからね」
「え」
そういうと、アイは私を抱き寄せた。
「どうして遠慮するの。彼氏がいたって、今まで通り遊ぼうよ」
「迷惑じゃないの」
ミクは首を左右に振り、肩まで伸びたフワフワした栗色の髪をなびかせた。
「一度も思ったことないけれど。最近、ルカの様子が変だから、私たち心配してたんだからね。そんなに寂しかったなら、寂しいって言ってくれればよかったのに」
「だってえ、彼氏がいるからさあ」
「じゃあ、『ルカ変身プロジェクト』を立ち上げて、私たちのルカに最高級の彼氏を手に入れてもらおうじゃないの。いいよね、みんな」
私以外の全員が頷いて、私がアタフタしている間にイントロが流れてきた。
「あれっ、この曲は」
この曲は、五人で集まった時に最初と最後に歌う、お約束の歌だ。
サチはソファーに座って、選曲用の機械を膝に乗せている。私たちのことを見守りながら、送信するベストタイミングを狙っていたらしい。
場の空気を素早く察して切り替えてくれる人は、いつだってサチだ。
「サチ」
サチは両手でメガネをかけ直すと、私にマイクを差し出した。
「カラオケに来たなら歌わな損でしょ。それとも、テスト勉強しよっか。漢字の暗記カードは持っているし」
「いいっ」
サチの提案に四人が声を揃えて拒否し、顔を見合わせて笑った。
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