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それでも手に残った嫌な感触はぬぐえない。
潰れた缶をもう一度引っ張ってみたところで、元通りには決してならない。
べこべこにひしゃげた缶に別の方向から力を加えて復元を試みる。
いくらかふくらみを戻した缶には深い傷跡のような線とへこみが残っている。決して元には戻らない。
だがそろそろ手を打たねばならないだろう。
このままでは燃える火も燃えないまま、終わるだろう。
燃える前に消えてしまうことだけは避けたい。
だが同じ思いで何とか売れようと必死な人間は五万といるのだ。
どうすればいい。
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