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空になったグラスに注ごうとするのを羽鳥は手のひらで「結構」と遮った。
「で、本人見たら、細身で人形みたいにきれいじゃないですか。度肝を抜抜れましたね」
運ばれてきた、うざくとう巻の皿に箸をつけながら「天は二物を与えすぎだよ、って思いましたけど」と羽鳥は続ける。
「そうでもなかったですね。ほかの部分、人としての肝心なところがスッポリぬけおちてますもん。頭は一応下げるけど、心がないというか、コミュ力なさすぎにも限度があるっていうか」
あ、おいし。
う巻の卵、ふっわふわ。
うざくも、さっぱりしていい味。
きゅうりと鰻の組み合わせを考えて人って天才だわ、と料理の感想を交えながら羽鳥の話は続く。
「あれ? 成瀬さんは何を注文したんです? あたし一人でバクバク食べていて申し訳ないんですけど」
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