2.羽鳥もと子の報告

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「まあ、そんな()頓狂(とんきょう)な声を出すならそうなんでしょうねえ。ふーん。じゃあ、なんだろ。やっぱり相手が相手だからですかね」  その相手は誰なんだ。  じりじりしながら、白焼きにわさびをちょいと乗せて口に運ぶのを、(うらや)ましく見る。  躊躇(ちゅうちょ)なく、食えるっていうのはいいな。  俺も少し前まではそうだったんだが。  白焼きか。  日本酒と合いそうだな。  もっとも、俺の体はもう、それをうまいとは感じないだろうが。 「専務。半分、食べます?」  羽鳥が箸をおいた。 「いや」 「じゃあ、そんなに(うらや)ましそうな顔で見ないでくださいよ」 「羨ましいんだよ」 「は?」 「そんなふうに食べられるってことがさ。年は取りたくないもんだな」
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