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「やだ、もう。成瀬さんまだ若いじゃないですか」
「持ち上げてもこれ以上何も出ないぞ」
「ふっわふわで本当に美味しいんですよ。どうぞ半分」
「いいよ。まだ、う巻も食ってないんだから」
「あら、本当。少しは食べないと体に毒ですよ」
もう、体に毒は回っている。
力なく笑って箸を手に取った。
「で、相手というのは」
「沢渡なつみ、日高ユリア、須藤季春、ってところですかね」
成瀬は仰天した。
三人も?
しかも全員、ドラマで主役をはれるタマばかりじゃないか。響のやつ、いつ、どこでそんな……。
「びっくりしました?」
「したよ」
はん、と羽鳥は笑い飛ばした。
「全部向こうからのアプローチですよ、響にそんな甲斐性があるわけないじゃないですか」
白焼きを口に運びながらバッサリと言う。
「アプローチって、いつ、どこで。共演もしていないのに」
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