2.羽鳥もと子の報告

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「やだ、もう。成瀬さんまだ若いじゃないですか」 「持ち上げてもこれ以上何も出ないぞ」 「ふっわふわで本当に美味(おい)しいんですよ。どうぞ半分」 「いいよ。まだ、う巻も食ってないんだから」 「あら、本当。少しは食べないと体に毒ですよ」  もう、体に毒は回っている。  力なく笑って箸を手に取った。 「で、相手というのは」 「沢渡(さわたり)なつみ、日高(ひだか)ユリア、須藤季春(すどうきはる)、ってところですかね」  成瀬は仰天した。  三人も?  しかも全員、ドラマで主役をはれるタマばかりじゃないか。響のやつ、いつ、どこでそんな……。 「びっくりしました?」 「したよ」  はん、と羽鳥は笑い飛ばした。 「全部向こうからのアプローチですよ、響にそんな甲斐性(かいしょう)があるわけないじゃないですか」  白焼きを口に運びながらバッサリと言う。 「アプローチって、いつ、どこで。共演もしていないのに」
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