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「百戦錬磨、って」
成瀬は苦笑いした。
「日高ユリアはまだ二十歳そこそこだろう」
「でも帰国子女ですからスキンシップ高めで、挨拶のハグに響は当惑していましたよ。そこがかわいいと言われて仏頂面していましたが、耳まで赤くなっていましたね」
「そりゃ見ものだったな」
「沢渡なつみとは誘われて二回ほど食事をしたみたいです。でも、あまりにも会話が盛り上がらなくて、友達にすらなれなかったみたいです」
「可愛いけどな、沢渡なつみ」
「そうですよ。あんなにかわいい子ならいっしょにいるだけでウキウキしそうなものなのに、どうかしてますよ。ギャグの一つでも言って自分に向けられた笑顔を見たい、って思わないんですかね?」
「羽鳥さんでもそんなこと、思うの?」
「思いますよ!」
大きなうな重のふたに手をかけ、羽鳥は目を見開いた。
「うわ。豪勢。うなぎがみっちり」
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