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いただきます、と言うほっぺたが喜びでまんまるだ。
あーわかるわ。
羽鳥もと子の真ん丸な笑顔だって、俺に喜びを与えてくれる。
間近で見る本物の笑顔は、くらっと来るよな。
そんなことを思い、成瀬はにやにやした。
「あたしだって目の前に沢渡なつみがいたら、とびっきりの笑顔で挨拶しますよ。まあ、響は、音楽以外のことに関してはすべて受け身、あるいは無関心ですからね」
「須藤季春はもともとミュージシャンだから、話は合ったんじゃないか?」
「確かに、ひょっとしたらひょっとするかなと思ったのは彼女でしたね」
山盛りのごはんを、てかてか光る鰻と共にもりもりと口に運ぶ。
見事な食べっぷりだ。
見ているだけでたっぷり食べた気分になれる、と成瀬は自分の胃のあたりをさすった。
「で、どうなった?」
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