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「須藤季春は十八でデビューしてもうすぐ二十九歳、この業界で生き残っているだけあって、響はいろいろ教わることがあったようです。レコーディングの裏話ではお互い分かり合えるところもあったようで……響には友達がいないから、ある程度本音で話せて分かり合えることが新鮮で嬉しかったんじゃないでしょうか。年齢も近いし」
「相手は美人だしな」
大きな瞳と、意志の強そうな眉と、露出部分が多くても下品に見えない着こなしができるスレンダーな体、まっすぐな長い髪をした須藤季春と響が並んでいるところを想像してみた。
「意外にイケるな……」
「でしょ? 成瀬さんもそう思いました?」
箸を置いてがばりと羽鳥が体を起こした。
「いいですよね! 声質も合いそうだし!」
ぐい、と体を寄せて羽鳥がささやいた。
「実はあたし、聞いちゃったんです」
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