3.不協和音の始まり

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「響!」  慌てて成瀬は羽鳥を捕まえ「この後のスケジュール打ち合わせ、よろしく頼む」とささやくと身を(ひるがえ)した。 「すみません。ありがとうございました。おつかれさまです」  成瀬は四方八方(しほうはっぽう)に頭を下げながら響の行方を目で追った。 「えー成瀬さん、行っちゃうの?」 「たまには少し話そうよ」 「あああ、すみません、また、今度ゆっくり」  手を振ってじりじりと後ずさる。  あいつ、まさか、外でぶっ倒れてないだろうな。  半分駆け足で外へ出る。 「響!」  どこにもいない。
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