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「どういう風の吹きまわしだ」
「売れるために何でもやる、って言っているんだ」
「本気か」
「僕は冗談なんか言わないよ。知っているくせに」
「俳優業でもか」
「主役じゃないならやってもいいかなあ」
「どういう我儘だ」
成瀬は苦笑いした。
「いきなり主役の話なんて、来るわけないだろ」
「真面目な話、僕に主役は無理だ。あまりにも時間をとられるし、おそらく演技もポンコツだろうし、化けの皮がはがれない程度のチョイ役で」
「確かにそうだな。でも、売れるためにはそれじゃ意味がないだろう。一気に名前と顔を売るなら……」
「やっぱりCMかなあ。僕、水のCMがいいなあ。水が好きだし、水は必需品だし、心から推せるし」
「そう、うまくはいかんだろう」
「だよね」
素直過ぎて気味が悪い。
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