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しかし、なぜか警官隊は指原を睨みながら、彼の前をスルーして行く。
何というサプライズ。
そして。
「篠田麻里太だな?逮捕する!」
「ふっ……何だよ、その上から目線は。サディスティックな奴め」
ジョークなのか本気なのか。
おそらく誰も気付いていなかっただろう篠田を逮捕すると、無線で連絡を取りながら引き上げて行った。
その隙に指原は丁度到着した電車に乗り込む。
その直後、別の警官隊がホームになだれ込んで来たが、どうやら彼らはあてがはずれた様でキョロキョロしている。もしや自分を捕まえに来た別働隊だったのかと、指原は震えた。
人生、なるようにしかならないのだ。
こうして九死に一生を得た指原はその後、持ち前の要領の良さで九州は博多で歴史に残る大暴れ、数年後満足して卒業する事となる。
☆
「秋元警視総監、命令通り篠田を逮捕しました!
しかし、これでよろしかったのですか?」
「うむ。チームAよ、ご苦労であった」
連絡を受けた秋元氏は、嬉しそうに壁に貼り付けた指名手配ポスターの前に立った。
感慨深げに見守る部下達。
「聞いたかみんな。篠田が逮捕された!
私の勝ちだ!」
縦横に三人ずつ、九人の写真。
既に逮捕されている中央の前田、その右の大島。
そして今回逮捕されたのは、前田の左側の篠田。
秋元氏はマジックを取り出すと、居合い切りの様に勢いよく、中段に並ぶ三人の写真に横線を引き、拳を振り上げて叫んだのであった。
「BINGOおおおおおお!」
わざわざ指原を見逃して篠田を逮捕した警官達は、それを聞いて震え上がったと言う……
おしまい♪
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