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「言ってごらん、円珠。ここに触れられるのは気持ちがいいだろう?」
「んっ! き、気持ちいぃ……」
「いい子だ、円珠」
――だが、これを他の者に使わせるわけにはいかぬ。
小さく呟いて半身を起こした翔波様の股間にも、二つの性器が立ち上がっていた。僕とは比べものにもならないほど大きく、突起の形も違う。幾つもの鋭い棘が生えたようなそれに貫かれたら、到底体が無事とは思えなかった。衝撃を受けていると、大きく足を広げられた。
「まっ! 翔波様、待って!」
「すぐによくなる」
金色に輝く龍の瞳を見た途端、体から力が抜けていく。孔の入り口にぐっと質量を感じたかと思うと、片方の楔が中に大きく差し込まれた。突き上げられた瞬間に全身が総毛立ち、突起が肉襞に突き刺さる。それでもどこにも痛みはなく、あっという間に全身に快楽が訪れる。
「は……あ、ああっ……」
「円珠……円珠。何て可愛い……」
翔波様は僕の体から力が抜けると、口づけをしながら何度も唾液を喉の奥に流し込んだ。飲み込むたびにお腹の奥が熱くなり、僕の中で翔波様が大きくなる。僕が翔波様の首に手を回してしがみつくと、翔波様は体を大きく振るわせて僕の奥に熱いものを放った。それは、大きな熱の塊と同じだ。
「あ! あああ! 熱い……」
「愛している……円珠」
翔波様の体から何度も熱が送り込まれる。僕の薄い胎は塗り替えられ、翔波様の精でいっぱいになっていく。堪らず腰を揺らすと、翔波様は楔を替えて僕の中に長く熱を放ち続けた。
龍の愛は深く重い。
初めて睦み合った後は、ずっと二人きりで過ごすのだという。
翔波様は僕の体を貪るように愛し、まるで髪の先から爪先までを味わい尽くそうとするかのようだった。体中を噛まれ舐められ、精も根も尽きそうになれば、龍の神力を与えられた。朝の訪れも日が暮れるのもわからず、ひたすら互いの存在だけを確かめ合う。自分と翔波様の境目がわからぬほどに交合を繰り返していると、部屋の中央にドン! と大きな雷が落ちた。
「翔波、いい加減にしろ! このままでは、可愛い花嫁が息絶えるぞ!!」
朦朧とした頭で顔を向ければ、目が赤いものを捉えた。前に見た赤龍が、屋敷の眷属たちを引き連れて翔波様を怒鳴りつけている。翔波様は腕の中にがっちりと僕を抱え込んだまま、彼らを一人残らず屋敷の外まで吹き飛ばした。
僕が手を伸ばして翔波様の頬を撫でると、金色の瞳がしげしげと僕を見た。つりあがっていた瞳が、少しずつ元の澄んだ青に変わる。ようやく僕の限界な姿がわかったようで、眉を下げて謝ってくださった。
「すまない……。あまりにも其方が愛しくて、我を忘れた」
「……大好きです。翔波様」
僕の言葉に翔波様は、それはそれは幸せそうに微笑んだ。
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