未来へ

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 食事を終えて、荷物も片づけて用意ができた。 「さあ、そろそろ行こうか」 「うん」 「手」  二人分の服の入った鞄と仕事用の鞄を片手に持った蒼空さんが、私に手を差し出してくる。私の出した手を取って、ギュッと繋いで部屋を後にした。  チェックアウトをしてオフィスに向かう。  オフィスビルが近づくに連れて、知っている人がいるのではないかと変なドキドキが襲う。私達がつき合っているのは周知の事実だし、見られても困ることはないけれど、蒼空さんの持つ荷物がマンションからの出勤ではないと主張しているように思うのだ。 「そろそろ手を」 「なんでだ?」 「恥ずかしいから」 「誰も見てないから気にするな」  蒼空さんには、突き刺さるような視線は見えていないのだろうか。先程から周囲の視線を集めているのに…… 「よう、おはよう。相変わらずお熱いことで」  後ろから声が掛かって振り向くと、轟課長がクスクスと笑っているではないか。 「羨ましいからって俺達に絡むな。早く告白したらいいだろう?」 「え⁉」 「蒼空!!」    
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