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私達を笑っていた轟課長が焦っている。それにしても、意中の子は誰なのだうと興味が沸く。小春だったらいいのにと願いも込めて聞いてみた。
「轟課長の好きな子って……」
「ハハッ、こんなタイミングで蒼空にバラされるとはな」
「俺もこれからみんなに発表するんだ。昌磨もこの機会にカミングアウトしとけよ」
「はあ? お前の発表と俺のは全然違うだろう」
二人のやり取りもあと少ししか見られないと思うと寂しくなるけれど、今はそれどころではない。轟課長を見つめて、早く教えてほしいと視線で訴えた。
「はぁ~そんな期待された目をされるとなぁ~。吉瀬さんの同期の」
「小春ですか⁉」
「あ、ああ」
私の勢いに押されて頷いている。それよりも、小春と轟課長が両想いだなんて……。一気にテンションが上がってしまった。
「轟課長、すぐにでも伝えるべきです! 私が保証します!」
私がバラしてしまうのは良くないかも知れないけれど、二人にとってこの一言が後押しになるかもしれない。私と蒼空さんは、長年両想いなのにすれ違っていた。私の言葉に轟課長が素直に頷いている。きっと、幸せな報告が聞けるに違いない。
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