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「ねぇ、ノエル様?もっと、僕に
出来ることない?歌うことだけ?」
「急にどうしたの。
……レイ。ほら動かないで。
泡が目に入るよ。」
「んんぅ、でも……でも。」
2人でいつものように、お風呂に入っているとノエル様の手がふと僕の頰に伸びる。
大きな掌。繊細で、長い指先。
お風呂に入っているから当然だけど。
いつも少し冷たいノエル様の温度が
今は……熱く感じる。
「レイは、僕の側にいるだけで
いいんだよ?」
濡れた白髪を、後ろに流して
じいっと見つめる碧眼。
魔力の強さなのだろうか。
ノエル様の瞳の奥にはいつも、深碧が煌めいて見える。
……どんな宝石よりも、綺麗だ。
「本当ですか?……それだけでいいの?」
……僕はこの人が大好き。
ずっと一緒にいたい。
頰に触れる手に、自分の掌を重ねると
そんな願いを込めて頬を寄せた。
「……おいで。レイ。」
「……はいっ!」
……5年が経ち、22歳で
成人の儀を終えたノエル様は近頃。
とても、大人っぽくなった。
元々落ち着いているから、大人びて見えていたけど。
5年前よりずっと、背が伸びて
顔付きだって凛々しくなった気がする。
……僕を引き寄せて、隣に座らせると
肩を抱く。
ピタリと、濡れた肩が触れ合って
吸い付くような感覚が
少しだけ恥ずかしかった。
お風呂なんて毎日一緒に入ってるし。
恥ずかしがることなんて
何もないのに。
「……洗ってあげる。」
「はいっ!」
素直に立ち上がると
子供の時のように
ノエル様に後ろから
抱っこされるように背を向けた。
僕だって、ちょっとは大きくなったと
思うんだけど
ノエル様に比べたら
あの頃と変わらず子供みたいだ。
しっかりとソープを泡立てると、優しく
背中の羽を洗ってくれる。
フワフワした感覚が少しくすぐったい。
だけど、気持ち良い。
頭、背中から、首筋、肩
腕、お腹、胸
昔からノエル様は
隅々まで丁寧に洗ってくれる。
自分でするからと
遠慮したこともあったが
「僕の楽しみを奪う気?」と
なぜか叱られた。
それから、ノエル様がいる時は
一緒に入って身体を洗って貰う。
ノエル様に洗って貰うのは気持ち良いから好き。
気持ち良すぎて……時々。
「……んぁ、」
「なに?」
「あ、何でもない……です//」
特にお尻や……胸を洗われる時に
変な声が出ちゃう。
くすぐったいような
とにかく変な……感覚。
「あ、の……お尻はもう」
「どうして?綺麗に洗わないと
ほら、ちゃんと中の方まで。」
「んっ、ん……でも」
中の方まで……これが1番苦手。
せっかくノエル様が
僕の身体を綺麗にしてくれてるのに
「あ、……ぅ」
「コラ、逃げないの。」
「でもっ」
「ちゃんと、毎日しないと。」
「んっ!?」
ツプッ、お尻の中に
ノエル様の長い指が入ってくる。
「あぅ……//」
どうしても、違和感に
腰が浮いてしまう。
いつも優しいノエル様なのに
……この時だけは、許してくれない。
「いい?レイ……僕がいない時も
ココは必ず綺麗にするんだよ。
毎日必ずね?」
「は……はいっ
わかりましたぁ……ん」
「そうじゃなきゃ、レイが後で
辛いんだから。
ヒートが来たら、直ぐに
……使えるようにしないと。」
「どうやって、使うの……?」
ぐっ、と指が増やされて
中が少しずつ広がる。
「まだ知らなくていいよ。
……可愛い金糸雀。」
「ひゃっ!?」
指を1番奥まで入れられて
ビリリッと身体の真ん中が痺れた。
力が抜けて
くたっとノエル様に倒れ込むと
ちゅぽっ……
やっと、指を抜いてくれる。
「あ……あの、終わり、ました?」
はぁ、はぁと息をしたまま
ノエル様を見上げると
「ううん、最後は……口の中。」
「は、はい……」
ココもちゃんと、中まで
綺麗にしないと。
そう言って、ノエル様は
僕の顎を取ると
「んっ……」
自分の唇を、……僕の唇に重ねた。
お風呂の最後はいつも、こうする。
子供の頃は
唇に、ふわっと触れて終わりだったけど。
近頃は
「あっ、ん……ふ、」
「ほら、もっと口開けないと。
……上手く舐められない。」
「ふぁ、はぁい……」
喉の奥まで届きそう。
舌を絡めとるみたいに舐めてくれる。
動物も、自分の身体を
綺麗にする為に舐めるし
僕も、お風呂を知るまでは
自分で身体を舐めて綺麗にしていた。
こんなことまで、ノエル様に。
ご主人様にして貰うのは申し訳ない。
僕も、ノエル様が綺麗になるように
上手に舐められたら良いんだけど。
……くちゅっ、くちゅっと
お互いの唾液が絡まる。
「ん、ん……ノエル様ぁ。
上手く……出来ませんっ」
コレをするといつも
くらくらするし
身体が熱くて
フワフワする。
ノエル様の真似をして
舌を絡ませて見るけど
深くする程に力が抜けて
……上手に出来ないんだ。
ただ、ノエル様の首に
腕を回して
ぎゅぅっと抱き付く。
そうしないと、何だか
「はっ……レイ……?お前は可愛い声で
上手に鳴くだけでいいよ。」
「っ……んぁ、は……ぁい」
……おかしく、なりそう。
口を離す時、2人の間に
ツウっと銀の糸が繋がる。
「甘いね……レイ。」
「!」
それを、親指で拭うと
ぺろりと舐めた
ノエル様に、心臓が
ドキンッと跳ねる。
少し息切れて
普段より余裕のない声。
耳元で囁かれると
ゾクゾクっと身体が震えた。
「どう……?レイ
お風呂気持ちい?」
「はい……気持ちい、です。」
本心だった。
ノエル様とのお風呂は
ふわふわして
……気持ち良い。
「ヒートが来たら……もっと」
「……ヒート?」
「もっと、気持ち良くなるよ。」
それまで、僕が我慢できるかが
……問題だけど。
「……ノエル、さま?」
「僕のために
早く大人になってね?レイ!」
「大人になったら、嬉しいですか?」
「もちろん。嬉しすぎて毎日
レイのこと……離さないかも。」
「!?僕、ずっとノエル様と
いたいです!
頑張って大人になりますっ!」
「年齢的には充分なはずなのになぁ。
どうしてレイにはヒートが来ないんだろう。
……ドクターに聞いて見るか。」
ボソッと呟いたノエル様に
きょとんと首を傾げると
ノエル様は、いつもみたいに
ニコッと笑って
「可愛い僕のレイは……
今日もとても良い子だね。」
「っ、はいっ!!」
頭を優しく撫でてくれた。
ノエル様に褒められると
嬉しい。
ヒート?ってよくわからないけど
もっと、上手に出来るように……
早く大人になれるように頑張る。
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