探偵の好奇心は泥沼に気づけなかった

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 ――後日  警察に事情を告げて、スクショに残っていた記録から彼女の部屋を探したところ〇〇ホテルチケットの領収書がごみ箱から見つかった。それを頼りに警察が捜索したところ、〇〇ホテルから外れた神社の階段に彼女の物と思われる靴が落ちており、警察犬が捜索したところ――土に埋まった彼女が発見された。死因は窒息死だそうだ。  相手は相当な恨みを持っていたらしく、彼女の口の中には無数の紙が押し込まれていており、そこには今まで彼女が職場でどんないじめをしてどんなひどい言動をこれまで他人に浴びせてきたかの罪がつらつらと書かれていた。  殺人犯は捜索中とのことだが、おそらく見つからないだろう。  ネットではこの事件について『因果応報』という言葉で溢れており、犯人への賛辞がほとんどだ。警察も、手掛かりがあまりにもないということで早々に捜索を打ち切るだろう。  一方で、行方不明の女性を見つける手助けをしてくれたということで俺は報酬を貰ったり警察からお礼も言われたが、気持ちは晴れない。目の前で犯人が送ってきたメッセージが、今も離れないからだ。  俺が撮っている途中で、最後にスマホに残せなかったメッセージ。  俺の脳内に深く残る、言葉が。 『あなたに会いたい。復讐する人間はもう一人いるんですよ』  どこで、とか、だれを、というのは書かれなかったこのメッセージ。  俺としては、できれば会いたくない。  けれど、俺は多分逃げられないのだろう。  なんせ、事務所の郵便受けに入っていた封筒から出てきた紙には、こう書かれていたのだから。 「探偵さんこんにちは。依頼したいので、もうすぐあいにいきます チョコ」  fin
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