Falling Down sui side

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「蒼依さん、何か話したいことでもあったの?」  上目で俺を見る蒼依さんの足下がふらつきだした。 「大丈夫?」  転ばれたらかなわない。咄嗟に支えると、腰に腕を回されて胸に寄りかかられた。  これは駄目だ。皆に阿呆御坂と言われる俺でも分かる。  両肩を掴むと、少し自分から離した。この両肩を掴むのはいいかもしれない。こっちで距離をコントロールできる。 「ごめんね、ふらついちゃった。大丈夫、ちゃんと歩けるから」  寄りかかられたのは故意ではなかったみたいだ。蒼依さんは俺から離れると、しっかりとした足取りで歩き出した。 「もしかしたら、なんだけど。スーの感じているストレスの原因は、彼女との格差?」  心臓が驚くほど大きく鼓動を打った。  言葉にされると、結構な衝撃だ。  そうか、俺は寿との格差にストレスを感じていたのか。  すとんと胸に落ちてきた言葉のおかげで、靄が晴れたような気がした。  ついでに、他人の目にも俺と寿の間には格差があるんだと痛感した。  海外移籍ぐらいじゃ駄目なんだ。  もっと、もっと世界に認められなくては、寿には釣り合わないんだ。  胸の奥が急に冷たくなった。  どうしたら、ふさわしい男になれるのか。泣きたくなってきた。
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