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みんなで叶える勇者計画
諦めて一緒に勇者やりましょう───
その言われたのは、数週間前のこと。あの日以来、俺はヒーローをやっている。ただし、あくまで風紀委員としてだ。
最近、俺の通う学校で奇妙な噂が流行ってる。俺だって今朝友達に聞かれたぜ。“お前、赤い銃もってるか?”って。もし持ってたら、赤いヒーローに殺されるんだとよ。くだらない怪談話さ。だが、実際にその赤いヒーローに襲われた人間が何人もいるらしい。うちの学校の生徒も被害に遭ったって話だ。これは風紀委員として黙っているわけにはいかないな。
俺の名は、窓辺ウィン。永朽東高校に通う二年生にして風紀委員だ。俺たち風紀委員会の仕事は、いまや校外に及んでいる。放課後にちょっと外を出歩けば、街のどこに行ったってうちの生徒に出会えるぜ。通学路はもちろん、駅前や繁華街。そいつらの中には結構な情報通もいるから、赤いヒーローについて色々聞いてみたりしたが…
「収穫なし…か。やっぱそう簡単にはいかねぇな」
そろそろ暗くなってきたし、今日の所は切り上げるか。帰路に就こうとした矢先、ふと空を見上げると、
「…ありゃなんだ?」
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