もう一度、君と手を繋ぎたいんだ

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 「サキっ!お前何勝手な事してんだよ!ソイツがヤツらの仲間だったらどうすんだ!」  「仕方ないでしょう?! あんなとこで騒がれてたら、アイツらが集まって来るわ! オオガミ リョウゴ。アンタ、まさか噛まれて無いでしょうね? 」  中を見回すと、十数人の生徒がいた。角で固まる数人の女子、膝を抱えて座る男子とそれを慰める者、こちらを睨みつけるイキがった輩達。……ハルカは、いない。  「《サノ ハルカ》を知ってるか?アイツはどこだ? 」  俺は足を踏み出すと、教室内の全ての生徒に聞いた。  「ちょっと!話聞いてんのっ?! 」  「噛まれてねぇよ。それより、ハルカはどこにいる? お前、友達なんだろ? 」  「そうよ。私はサキ、《タジマ サキ》。ハルカから聞いてない? 」  言われて、女生徒を見る。くるりと巻いた明るい色の長い髪。短いスカート、薄くメイクした顔。ハルカがつるむにしては派手なタイプだ。  「聞いてねぇな 」  そう言うと、タジマがカッと怒りで顔を赤くする。随分とプライドが高いタイプの様だ。それなら、尚更……。    「おい、お前、本当に付属のオオガミか? 」  さっき、タジマを怒鳴った男子生徒が話し掛けてきた。  「俺を知っているのか? 」  「ここら辺で野球やってて、お前のこと知らない奴はいねぇよ 」    男子生徒が肩を竦める。  「そのオオガミ様が、何でウチの学校まで来たんだよ。まさか、サノを助けに来たとか言わねぇよな?」  「悪いか? 」  「そこまでするって、サノはお前の何なん? 」  何と言われて困った。ハルカは幼馴染で、大切な存在で。だが、自分の勝手で離れた。そんなの友達とも言えない。だから、正直に答えることにした。  「俺の、好きな子だ 」
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