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ワイルドビーナス咲耶
花道に七色のカクテル光線が煌めいた。
「うッおおおおォォォォーーーーッ」
場内に地鳴りのような歓声が轟いた。
『赤コーナーより挑戦者、仮面天使ワイルドビーナス咲耶見参!』
場内アナウンスが響いて派手な入場テーマ曲が流れた。スポットライトに照らされ、花道に仮面をかぶった咲耶が登場した。
仮面天使、ワイルドビーナス咲耶だ。
手にはいつものように自撮り棒を持ったままの入場だ。
「ウォォーーーーッ! 咲耶、咲耶、咲耶、咲耶、咲耶!」
津波のような歓声がぶつかってくる。
万雷の咲耶コールが響く中、咲耶は疾風迅雷のように花道を駆け抜けリングへ上がった。
『まさにマックス・ボルテージ。ワイルドビーナス咲耶がコーナポストへ飛び乗って、天高く人差し指を突き上げたァ!』
満面の笑顔で咲耶は観衆にアピールした。手にはオープンフィンガーグローブが装着されていた。
「行くぞォッ。イチ、ニィ、サン、ジャスティーーーース」
「「ジャスティーーーース」」
咲耶の号令で会場が一斉に大合唱した。
まるでサ○シャイン池崎のような決め台詞を叫んだ。どうやら咲耶は、これを恒例にしたいみたいだ。
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