事件

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そう、僕は言った。 彼女の涙が、僕の頬に落ちた。 そのぬくもりが、幸せだった日々を思い起こさせた。 死んでも忘れないし忘れられない思い出。 共に見上げた、あの夕日だって、共に過ごしたあの日々だって。 「わがままだね・・・相変わらず・・。」 そっと彼女の頬を撫でた。 月明かりが僕たちを照らした。 「いいね・・、最後のお願いだから。僕を・・・。」 「忘れないで。」
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