事件

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 稔麿が死んだ。 そう分かって、ちょっと落ち着いた。 失うとわかっててそれを待つのと、もう失ってしまったあとではだいぶ違う。 恐怖、辛い、悲しい。 どれも違った。 「忘れるわけないじゃん・・・。」 そう言うと、私は口付けをした。 稔麿が望んでいないのも分かってる。でも。 そのまま。 手に持っていた短刀を握りしめて。 首を掻き切った。 最後まで、嘘をついてごめんね。 そう思いながら。 「またね・・・。」
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