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その後
私の前で、きらいなひとと、大好きな人が死んだ。
彼らは嘘を付き続けた。
お互いに死ぬとわかってても。
壮絶な覚悟だった。
そんな様子に私は嫉妬しました。
私には、彼女をそんな呪いのよな言葉で縛り付けることはできない。最初から彼には敵わなかったんだ。
そう思って。
自分にはない、強い、彼女を思う心。
ワガママのくせに、その言葉で彼女を救えるところ。
戻ってこない日々に、彼女を縛り付けて。
またね、ということで、向えに行くと暗に言い知らしめて。
脅すことでしか彼女の隣を維持できない僕は、なんて愚かだっただろう。
「敵いませんね・・・。」
最初から彼女は彼のものだった。
どんなに自分が頑張っても手に入れられないモノを死んでも持っている彼ら。
その証拠に、彼にかさばるように倒れている。その手はしっかりと結ばれていた。
彼らは、嘘をついてでもお互いを結んでいたいと呪いをかけたのだと。
私はやっと気が付きました。
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