屯所

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この頃の総司ときたら、 紅葉(隊士の間ではこうよう、と名乗っている。)にベッタリ。 紅葉の方はむしろ迷惑そうだし、総司のことが苦手な節すらある。 が、最近かっちゃんの情報によると総司と紅葉は恋仲になったらしい。 「なんかの間違いか、総司が脅したかの二者択一だろうが。」 でも、紅葉に聞いてみると微笑んで言い放たれた。 『私と沖田さんの問題ですから。副長は口出ししないでください。』 女のくせにピシャリと言い切られた。 が、総司に酒を飲ませ、聞いてみると、 『だ、だって。私は届かない人を手に入れるやり方がそれしか浮かばないんですう。彼女が女ってバレそうになったら協力するから、私の女よけになってくれって。』 目をうるうるさせて(いや、酒のせいもあるが。)物悲しそうに訴えられた。 かっちゃんは総司につられて目をうるませていたが正直気持ち悪い。 『じゃあお前はまだ未熟ってことだな。』 そう鼻で笑うと。 『強引に抱いておしまいにする土方さんよりは綺麗ですう!それに偽装恋仲でも愛情なんていつかは湧くでしょうし!』 やけに自慢げだな、と思いつつこういう場合の総司は人の言う事は聞かないとたあ長年の付き合いでわかっている。だから俺は沈黙を貫いた。 「ったく。普通の女だったらお前のやり方でも落ちただろうが、あいつはちげえ。」 そう、誰ともなく、つぶやいた。
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