3人が本棚に入れています
本棚に追加
絡まる思い。 〈紅葉〉
屯所の自室で紅葉は泣いていた。
報告ついでにこっそり言うことも可能だったはずだ、と。
でも冷静に考えると、それで上手く行ったかとは限らなかった。
何より自分が傷ついていた。突き放したくせに、という自分を責める思いと、稔麿とともに支え合う、そう決めたのに稔麿を傷つけた。また、素直に稔麿を求めてしまう自分がいた。
どんなけ沖田に求められても、稔麿がいるから大丈夫と、冷静でいられた。
いざ自分が突き放したくせに求めるのは違う。自分勝手なことだ。
なのに、行き場のない気持ちを涙にするしかない自分が無力だった。
今朝、古高俊太郎が嘘の計画、正確に言えば一部の過激派が唱えている作戦を吐いた。
明日の夜。会合がある。私は行けないけど。
どうか、どうか、皆が無事でありますようにと願っているうちにつかれたのか、寝てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!