2

6/7

456人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
その後、真亜子はテニス部を辞めた。 同期の良美はそのまま続けたが、 真亜子だけが退部届を出した。 良美は薄々気づいているようだったが、 気を遣って何も聞いてこない。 そんな中、社内報で健介に異動の辞令が出た事を知る。 健介は地元北海道の支店へ転勤する事が決まった。 その時、なぜか真亜子はホッとしたのを覚えている。 ずっと後ろめたい気持ちのまま、彼と同じ関東にいるのは辛い。 健介が北海道へ行ってしまえば、 その心の重荷も少し軽くなるのかもしれない。 真亜子はそんなズルい考えを持つ自分に、ほとほと嫌気がさしていた。 それから二年が経ち、真亜子は同じ支店の社員と結婚が決まる。 社内恋愛なので、皆が祝福してくれた。 真亜子は結婚前に退職する事が決まっていた。 退職の一週間前、社内便で真亜子宛てに荷物が届いた。 『誰からだろう?』 そう思いながら、その荷物を開けてみた。 すると、中には箱が入っている。 その箱を更に開けてみると、木製のオルゴールが入っていた。 メリーゴーランドの形をした、とても可愛らしいオルゴールだ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

456人が本棚に入れています
本棚に追加