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でも今なら聴ける。 真亜子はすぐにオルゴールのメロディーを流し始めた。 「~~~♪~~~♪~~~♪」 その曲は、 リストの『愛の夢』 だった。 真亜子は昔、この曲が好きだと健介に話した事があった。 健介は、真亜子の好きな曲を選んでくれていたのだ。 切なく優しいその音色を聴いていると、 真亜子の瞳からとめどなく涙が溢れて来る。 あなたはどんな思いでこのオルゴールを選んでくれたの? あなたはどんな思いでこの曲を選んでくれたの? あなたはどんな思いでこのオルゴールを贈ってくれたの? 真亜子は嗚咽を漏らしながら、泣き続けた。 その切なく優しい曲は、 長い間心の奥で凍り付いていた真亜子の苦しい思いを全て溶かし、 涙と一緒に外へ流し始める。 とにかく、真亜子は泣けて泣けて仕方がなかった。 『あなたに会いたい...会ってあの時のお詫びをしたい、いえ、しなくちゃいけないのよ...ごめんなさい...どうか許して......』 真亜子はしばらくの間、声を出して泣き続けた。
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