1

3/5
424人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
背の高い男性は、小澤健介(おざわけんすけ)、当時23歳。 彼は四年生大卒だったので、真亜子より二歳年上だった。 真亜子と良美は、社内のテニス部に入ろうと思っていたが、 ちょうど健介と連れの大樹(だいき)が既に入っていたので、 その日をきっかけに、男女四人のグループ付き合いが始まる。 毎週土曜日は、会社のグラウンドへ行き練習をする。 そして帰りは四人で食事をしてから帰る。 そんな日々 が続いた。 夏にはテニス合宿も行われた。 もちろん、合宿にも四人で参加した。 合宿先は高原のロッジだったので、 レンタカーを借りて四人でドライブをしながらロッジへ向かった。 合宿は、日中は真面目にコートで練習をし、夜は宴会だ。 高原でのテニスは、涼しくてとても快適だった。 練習の合間にふと見上げた空は、濁りのない綺麗な水色だった。 その水色の空には、真っ白な半月がぽっかりと浮かんでいる。 真亜子は今でもその景色を覚えている。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!