第1章

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「なぁ少年、俺は見ての通り鎖が巻かれて動けねぇんだ。あ、剣だから動けないのは当たり前か。とにかくこのままじゃ何かと不自由なんだよ。ガチガチに固まってたら身体も斬れ味も鈍っちまう。これも何かの縁だ、頼むから鎖を取ってくれないかな?」 「待ってて」  そう言うと少年は地上へ上がり、すぐに戻って来た。 斧を抱えて。 「おぉ、こいつは頼もしいじゃないか。いいか、俺を傷つけない様に気をつけてくれよ。くれぐれも慎重にな」 「わかった。えぇいっ!!」 ーーガンッ!!  少年は鎖を断ち切って剣を壁から剥がす。 「あんまり分かってないだろ? 冷や冷やしたぜ。まぁいいや、ありがとう、助かったぜ少年。俺の名前はティルフィング。よろしくな、少年」 「少年じゃない。僕の名前はレクル」 「そうか。よろしくな、レクル」
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