4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ少年、俺は見ての通り鎖が巻かれて動けねぇんだ。あ、剣だから動けないのは当たり前か。とにかくこのままじゃ何かと不自由なんだよ。ガチガチに固まってたら身体も斬れ味も鈍っちまう。これも何かの縁だ、頼むから鎖を取ってくれないかな?」
「待ってて」
そう言うと少年は地上へ上がり、すぐに戻って来た。
斧を抱えて。
「おぉ、こいつは頼もしいじゃないか。いいか、俺を傷つけない様に気をつけてくれよ。くれぐれも慎重にな」
「わかった。えぇいっ!!」
ーーガンッ!!
少年は鎖を断ち切って剣を壁から剥がす。
「あんまり分かってないだろ? 冷や冷やしたぜ。まぁいいや、ありがとう、助かったぜ少年。俺の名前はティルフィング。よろしくな、少年」
「少年じゃない。僕の名前はレクル」
「そうか。よろしくな、レクル」
最初のコメントを投稿しよう!