ポケットに恋心

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 相馬くんはどこで私の 字 を見たのだろう?  確かに私は小中学の頃から 字 を褒められることが多かった。だが、クラスの違う相馬くんの目に触れることがあっただろうか…  私がグループの輪に入れずにモジモジしていたから、それを見かねてのハッタリ?  そんなことを考えたりもしたが、それは単なるきっかけに過ぎない。あの出来事がなくても、私はきっと相馬くんを好きになっていたんだろうなと、今ではハッキリそう思う。  「望結(みゆ)はいつになったら相馬 遥希(そうま はるき)に告るの?」  同じクラスの親友の琴音(ことね)が、メロンパンにかぶり付きながら私に尋ねた。  私は、焼きそばパンを頬張りながら「…今日かな」とボソリと小さく呟いた。  「でた、告る告る詐欺」と、琴音が苦笑する。  「し…仕方なくない?私だよ?チキンだよ?」と、私は言い訳。  「やっぱりグイグイ押さないと!チキンな望結には羽那(はな)ちゃん特製の鶏肉のザンギ(カラアゲ)をあげましょう」と、最近バレー部の先輩と付き合い始めたリア充の羽那が、私の口の前にザンギを差し出した。  私はそのザンギにパクっと食いついた。  「はい、チキン食べたのでチキンさんはサヨウナラ~」と、満面の笑みを浮かべてから「まずは伝える。そして、諦めない!押して押して押して、ダメなら引いてみる。それでもダメなら…その時はその時に考える!」  羽那は無邪気にそう言って、しり込みしている私の背中を押した。  琴音は眉を下げて呆れ顔をするが「まっ、頑張れ~頑張れ~」とニカっと歯を見せて笑った。
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