君がいる場所

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 わたしには幼馴染みの彼氏がいた。見た目は中の上程度で、モテるタイプではない。でも、彼のことは放っておけなくて、何かと世話を焼いていた。小さい頃から一緒にいるので、どんな事を考えているか、大抵のことはわかってしまう。  一緒にいると気持ちが楽になる。翔太になら、何でも話せるし、隠そうとも思わない。それが付き合っていた一番の理由かも知れない。  そんな彼は、十日前に突然わたしの前からいなくなった。通学途中にトラックに撥ねられ、即死だったという。  葬儀の時に見た翔太の遺影は、屈託のない笑顔だった。去年、わたしと一緒に初詣に行ったときに撮ったものだ。最後に一目でも顔を見たかったが、ご両親から丁重に断られた。見せられないほど酷い状態だったらしい。  わたしは彼のあの笑顔が好きだった。これからもずっと見ていられるのだと、信じて疑わなかった。  その後、翔太の葬儀からどうやって帰ったのか、よく覚えていない。気がついたとき、わたしはスマホに残っていた翔太との最後のやりとりを眺めていた。
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