青空の掃除人

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「この子がメッセージを書いてくれるのはいつかな?」 まだまだ先よ。 母に聞いたのは、弟はハイスクールに上がるまでメッセージをかき続けていた。やりたいバスケット、時間がないからやめると最後に書くと、ボールをプレゼントしてもらったという。 夢のような出会い、でも、メッセージをかこうと思わなければ、こうして出会うこともなかった。 彼も、出て行った後のメッセージに気が付かなければ、それを捨てずにとっておいたからこそ、こうして出会ったのだと。 気になった、この手紙のあの子は、死んだりしないだろうかと。 どうして?と尋ねると、神様なんて信じない、大人になんてならないと書いてあったからだ。でもそのあとに、新しいところでも頑張ると書かれていたのにホッとしたという。 彼にやめて恥ずかしい。といった手紙は額に入って飾ってある。幼い文字、そこには両親に怒っていながらも、王子様に会えた喜びを胸に、新しいところで頑張ると、さほど書いた思いではないのだけど、一枚の紙にびっしり書いた文字は、彼に向けたラブレターだった。 いい天気。 大きな窓を挟んで、パパと呼んでいる子のそばに行く。 メモ用紙に“パパと呼んでいるわ”と書くと、邪魔をしてくる我が家の愛猫。 見せた。 シュッと洗剤を吹き付けられ、びっくりする子の前に、“聞こえた!”という文字とアイ・ラブ・ユーの文字。 すると窓にキスした子に笑うパパ。 私もびっくりした。まさか、文字まで読める? 窓の向こう、唇を突き出す彼とウインクに子供が答えただけだ。 青空の中に溶けるようなほほえましいその姿を私は写真の中に閉じ込めるのだった。
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