1人が本棚に入れています
本棚に追加
約束。
しかし再会は長く続かなかった。自殺は重罪、三十三年の禁錮、と告げられ俺は天使に捕まえられた。嫌だ。ミイナに会うために俺は死んだのだ。引き裂かれるわけにはいかない。しかし抵抗は虚しく、俺は羽交い締めにされ引き摺られていった。イタルさん、とミイナが叫ぶ。
「私、またきっと、必ずあなたと巡り会います。私は猫なので人間の牢屋には近付けません。それに二十年後、転生してしまいます。それでも必ず、また会いましょう。私もまた、あなたに会いたい。あなたが私に会うために、命を捨ててくれたように。何度生まれて死んでを繰り返しても、必ずあなたに会いに行きます」
俺が口を開くと、天使がさるぐつわを噛ませた。本当に自殺は重罪なのだと思い知った。おまけに俺がミイナのところまで来たのは脱走だと見做されたらしい。この扱いは仕方がない。だから俺は必死で祈った。俺も必ず君に会いに行く。現世から天国まで来て大切な家族の君に会った俺だ。次も必ず会いに行く。だから。
またね、ミイナ。君に会いたい。その気持ちを胸に抱き続けて、俺は過ごすよ。
最初のコメントを投稿しよう!