結①(リアル)

1/1
前へ
/31ページ
次へ

結①(リアル)

【登場】 宇佐川コナギ・八並カイドウ・〈リ〉文山ヒソカ 宇佐川:ほお~ここが面会室! 八並:子供が来るような所じゃないでしょ。 宇佐川:あたしが「悪いおじさんに捕まった」って言えば、あんたもあっち側にいけるわよ? 八並:すみません。 文山:私を極小なスペースに閉じ込めるとは見事なもんだな。 宇佐川:あんたは一生その身体でリアルを生きてなさい。 文山:……君、ほんとに宇佐川—— 宇佐川:(セリフを被せて食い気味に)だから、わたしは宇佐川コナギだって言ってんでしょ!? 八並:何回言わせるんだよ。 宇佐川:わたしのセリフよ! 文山:SYSMAR の研究に(うつつ)を抜かすあまり、自分の本来の研究をおざなりにしてしまうとは、勿体ないでしょうに。 八並:だからって、人の研究を自分のものにしていい道理は無いでしょ。 文山:せっかく生まれた技術と、それに(あずか)れるはずの人間が可哀そうじゃないか? それに、私が得た報酬の9割は別の研究に投じている。それがまた新たな技術革新を生むんだ。好循環じゃないか。 八並:あんたねえ! 宇佐川:……技術が発達すればいいってものじゃないわ。それを使う人間も成長しないと。あんたみたいなのには、まだ早すぎよ。 八並:宇佐川さんまさか、社会に悪影響が生じるリスクを見越して、この研究をリリースしなかったんですか? 宇佐川:これ以上手を付けたら危なそうだったから、SYSMAR に切り替えた。でも、それも結局は倫理違反。わたしも山先さんも、あんたに殺される罰を受けた。 一同:……。 宇佐川:自分勝手なことをしたら、報復は必ず受けるものよ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加