SYSMAR２（ラジオドラマ脚本）

起②ｰ１（ネット）

【登場】
〈ネ〉山先ルイナ・〈ネ〉百合本ミズキ・〈ネ〉白男川シュウエイ
ナレーション

山先ル：みんなありがとー！！！ 最後に大事なお知らせです。私のお姉ちゃん、山先クイナが行方不明です。私は、お姉ちゃんがどこに居るのか、無事なのか、知りたいです。何か知っている人は教えてください。情報待ってます。
今日はここまで。山先ルイナでしたー。バイバーイ。

（歓声 SE）

百合本：お疲れ様～。
山先ル：ミズキちゃ～ん、今日も運営手伝ってくれてありがと～！
百合本：また歌、上手くなったんじゃない？
山先ル：上手くなってる（嬉）！？ めっちゃボイトレしたもん。

ナレーション：
山先ルイナ。20歳の大学2年生。山先クイナの２つ年下の妹。ネット上で歌声を披露するなど、自身の活動の幅を展開中。

山先ル：やっぱ成果出てるのかなあ。
百合本：出てる、出てる！ 音も安定してたし、歌手目指せるよ。

ナレーション：
百合本ミズキ。この名前はネット上のもので、本名ではない。歳は二十歳前後と思われる。可愛いものが好きらしい。

山先ル：え～目指してみよっかなあ～。
百合本：そしたら私は、ルイナちゃんのマネージャーになろうかなあ～。
山先ル：そんな悪いよ、いつまでもミズキちゃんのお世話になるのは。
百合本：いいの、いいの。ルイナちゃんの衣装、デザインするのとか楽しいし。
山先ル：それは、私は嬉しいけど……。
百合本：それに、ネットの中って危ない人が多いでしょ？ ルイナちゃんの承認制スペースに居られれば、安全だから。
山先ル：ここは絶対安全よ！ 3 重のロックが掛かってるから。
百合本：変なファンが乱入してくることもないしね。
山先ル：ネットの人は簡単に信用しちゃいけないよ。みんなアバターなんだもん。実際はどんな人か分からない。
百合本：あ……うん、そうだね……。
山先ル：あ、ミズキちゃんは優しい人だって分かってるから！
百合本：……。
山先ル：ミズキちゃんのリアルがどんな人でも、嫌いにならないからさ。
百合本：……あの、実は——
（通知 SE）
山先ル：あ、DM。なんか言った？
百合本：ううん。なんでもない。DM？
山先ル：うん。SYSMAR の件で、特殊警察が来たって人から。
百合本：ここに入れてみようか。
山先ル：うん。一瞬ロック解除。
（ゲート SE）
山先ル：どうぞ。
白男川：ちわーっす、はじめまして。
山先ル：こんにちは。
百合本：はじめまして。
山先ル：あなたのお家にも特殊警察が来たんですか？
白男川：そうなんだよ。記憶の継承が何とか言ってさあ。

ナレーション：
白男川シュウエイ。本名ではない。歳は二十歳前後と思われる。強面でガタイが良いが、悪い奴ではなさそうだ。

白男川：急でビビったよ～。
山先ル：私達もそうなんです。
白男川：二人とも？
百合本：ええ。私、ルイナちゃんとは、それで知り合いになりました。
白男川：俺、あんまよく分かってないんすけど、SYSMAR って何だ？ 君達のとこに来た特殊警察は何て言ってた？
山先ル：うちに来たときは——