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回想(リアル)
【登場】
〈リ〉山先ルイナ・特殊警察A・特殊警察B
ナレーション
A:こんにちは。
B:特殊警察です。
山先ル:特殊警察?
A:サイバー犯罪対策課の
B:派生部門みたいなものです。
ナレーション:
特殊警察。科学分野における研究倫理違反を取り締まるために設立された部署の警察官。彼等はいつも、二人一組で行動している。
A:山先ルイナさんで
B:お間違いないでしょうか?
山先ル:はい、そうですが?
A:とある事情であなたは
B:私達の監視下に置かれることになりました。
山先ル:監視!?
A・B:Yes。監視。
山先ル:私、なにも悪ことしてませんよ?
A:SYSMARをご存じでしょうか?
B:ご存じでしょうか?
山先ル:SYSMAR?
A・B:Yes。SYSMAR。
A:The System of Succeeding Memory After Reincarnation
B:いわゆる、転生後記憶継承システム。
A:その頭文字を取って
A・B:SYSMAR。
山先ル:……。
A:ご存じないようで。
B:SYSMAR には、その開発者であり、今は亡き千頭和ヒタキ氏の一生分の記憶が、電子データとなって書き込まれています。
A:その情報を基に、全世界 104 億人のネットユーザーの特徴と照らし合わせ、SYSMAR はその中から、千頭和ヒタキ氏の生まれ変わりが誰なのかを解析したのです。その千頭和ヒタキ氏の記憶継承候補の一人として
B:山先ルイナさん、あなたが選出されました。
A:しかし、記憶の継承は生物倫理の観点から、現在はご法度。
B:承認なく記憶を継承した場合、相応の罰が下されます。
A・B:お分かり?
山先ル:……。
A:ま、身に覚えが無ければ何も問題ありません。
B:監視はネット上で、怪しい動きをしていないか確認するだけですからご安心を。
A:記憶とか、生まれ変わりとか
B:その手の話をしてくる者が他にもおりましたら
A・B:ご注意ください。
山先ル:は、はい……。
A:ルイナさんには、お姉さんがいらっしゃいますよね?
山先ル:え、はい。
B:山先クイナさんも記憶継承候補者の一人です。
A・B:今はどちらに?
山先ル:大学に、行ってるかと……。
A:そうですか。
B:ではまた伺います。
A:山先クイナ様にもその旨をお伝えください。
山先ル:わ、わかりました……。
B:それでは
A・B:これにて。
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