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髪が重い。宮内若菜は顎にかかる自分の髪を乱雑に後ろへやった。髪が跳ねると同時に毛先まで下りてきた汗が舞い、髪を払った掌も濡れている。雨季が明け、夏が訪れるには少し早いこの季節。本来は爽やかな風と落ち着いた天気のはずで、実際に今もそうなのだが、大学構内を走り回った若菜の体は内側から熱を発している。 「本当に、もうなんなのよ」 深くため息をついてから疲弊しきった足を前に出した。
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