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母の親友(享年67)
「あれ、るりこちゃん?」
「さつきおばさんですか?」
「そうそう、お母さんの友達の」
「へえーここで知り合いに逢えるなんて!」
「惜しかった~ちょっと前までるりこちゃんのお母さんここにおってな」
「え、お母さんが!?」
「そうなんよ。あたしも今から生き返るとこなんよ」
「そっかー」
「お母さんと相談してな、2人であの町に生まれよって約束したんよ」
「ほー良さそうな町ですね」
「あたしはあのお庭の広いお家に生まれるのを選んだんや。あたしが大きくなるまでに仲良くなった人がいたら、その人がるりこちゃんのお母さんの生まれ変わりかもしれんね」
「さつきおばさんの成長、ここから観察させていただきます」
「見ときや、すくすく育ったるから。そや、えりこちゃん、あそこあそこ」
「……えりこって、私のお姉ちゃんのえりこですか?」
「そ。介護福祉士目指してるみたい。毎日大学に通って勉強して、生き返っても偉い子や。あ、るりこちゃんも偉いで。学校の先生になって、結婚して子育てもして、還暦迎えてるんやから」
「母親やってくには、ちゃんと父親やってくれる男選んどかないとダメですね」
「ほんとそれよ」
「……お姉ちゃんは。どうして介護福祉士を目指してるんでしょう?」
「なんでやろねえ。人の役に立ちたいから?」
「もしかして、前世の記憶、残ってたり……いや、偶然なのかなあ」
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