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江澤は推しの一手で弘恵と付き合うようになった。
江澤は技術本部にいて、いわゆる技術職はA職と言われ、大卒、院卒、高専卒の集まりで、現場はB職と区別されていた。
弘恵は他の女子とは違ってあからさまに学歴云々など言うことはなかった。
ある日、江澤と話していた時「上司から、お前が三流大学でも良いから出ていてくれたら良かったのにな、とよく言われるんだ」と言ったのだ。
あぁ、江澤さんは高校を卒業して就職したんだと思った。それなのに、あんな頭脳集団の中でやれているのはすごいことだと思った。
B職だったが頭が切れたのでA職の中に入れられて仕事をしていたのだ。
でも弘恵が思うよりずっと江澤の学歴に対するコンプレックスは強かったのだ。
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