21人が本棚に入れています
本棚に追加
また、大震災が起きた。
テレビに映る映像は絶望的な光景だった。
壊滅的と言っていいほどの被害状況に胸が締め付けられた。
弘恵はそれと同時に13年前の東日本大震災を思い出していた。
その時、友達の故郷が無くなったのだ。
いえ、友達ではない。
かつて、大切に想っていた男性だった。
彼の実家は原発から1キロの所にあった為に、その瞬間全てが無くなってしまったのだった。
彼の落胆ぶりは直には見ていない。
もう二人が離れて随分と経っていたからだ。
震災で、彼を思い出したのだが、弘恵の後悔はもっとずっと前のことだった。
最初のコメントを投稿しよう!