バートランドは怯えていた。

4/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 この現象にぴったり合う異星人が、一体。 『“学校喰い”。  この異星人は、そのように呼ばれています。個人ではなく、種族の通称です。  この異星人は、学校のような、人が勉強をする場所が大嫌いなんだそうです。ゆえに、多くの惑星を渡り歩き、学校を食べて回っているとされています。  この異星人が近づいてくると、不思議な現象が発生します。  それは、異星人が狙った“学校”が、毎日同じ時間に地震をお起こすようになるということです。  これは学校という建物が、学校喰いの存在を感知して恐怖に震えているからとされています。つまり、地震ではなく、振動というのが正しい表現なのです。  学校喰いが標的を見つけてから到達するまで、おおよそ一週間かかるとされています。  学校が震え始めて一週間後に、学校という建物は中にいる人ごと食べられてしまいます。それには恐ろしい苦痛を伴います。  そして、学校の存在とその学校にいた人たちの記憶が全て人々の中から消えてしまうことになるのです。既にロックオンされているので、当日学校にいなくても関係がありません』  僕は、長谷川と相談した。  そして思い切ってこの掲示板に書き込むことにしたんだ。こんなものあるわけないとみんなに笑ってほしくて。もしくは――これの対処法を知っている人を見つけたくて。  僕達が経験していることが、何かの勘違いだったならそれでもいい。でも、そうでないならどうか、誰か、対処法を教えてくれないだろうか。  一週間後、学校にいなくても関係ないという。  学校が喰われると同時に、僕達はみんな消えてしまうし、その時地獄の苦しみを味わうというんだ。  そして、一週間後のその時、学校の建物にいなくても関係がないという。  僕も長谷川も、みんなみんな死にたくない。  でもきっとこんな話、大人は誰も信じてくれないだろう。  あのサイトが出鱈目ならそれでいい。でもそうじゃないなら教えてくれ。  明日までに、僕達はどうすればいい?何をすれば、近づいてくる怪物から生き延びることができるのだろうか。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!