バートランドは怯えていた。

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バートランドは怯えていた。

 事は一刻を争う。  釣りだと思っている人もいるかもしれないが、聞いて欲しい。僕達は本当に困っているし、恐怖を感じている。  これは紛れもない事実だ。まずは真剣に、僕達の書き込みを読んで欲しい。もし、もし僕達の考えが間違っているのならそれを指摘してくれ。なんだ勘違いだったのか、と笑うことができるならそれに越したことはないからだ。  まずは前提を話しておく。  この掲示板に書き込んでいる僕は、とある東京都内の中学生だ。  始まりは一週間ほど前のことだった。  お世辞にも優秀な生徒ではない僕は、英語の授業を欠伸をしながら聞いていたのである。元々勉強なんか好きじゃないし、特に英語の先生とは相性が悪いと知っていた。ようは、話している内容が子守歌にしか聞こえないとでもいうべきか。彼(中年のおじさん先生)の声が低くて穏やかで、とても心地よかったとも言う。その日も先生が教科書を読むのを聞きながら、うつらうつらとしていたのだった。 ――ああ、眠い。  今すぐ机に突っ伏して寝てしまいたい。  しかし、あの先生は眠くなる授業をするくせに、人が本当に寝るとものすごく怒ることでも有名。何より、不規則に生徒を指すことでも知られている。何がなんでも起きていなければいけなかった。 ――早く、早く終わらねえかな。つらい。これは超辛い。  その日は晴れていたが、ところどころ白い雲が浮いていた。風が強い日だったせいで、雲の流れも速いと感じていたのを覚えている。太陽を雲が少しだけ隠して、暗くなったなと思ったその矢先のこと。  ずずん。  小さな地響きを感じたのだった。え、と僕は思わず足元を見る。地震か?とそう思った。しかし、携帯は緊急地震速報を鳴らすようなことはない。気のせいだったのだろうか。でも。 ――僕以外の人も、気づいている?  何人かの生徒が、きょろきょろと周囲を見回していた。やっぱり小さな地震はあったのだと、僕はそう確信したのだった。
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