prologue

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「ねぇ、ボクのこと好き?」 「好きだよ」  彼の腕に抱かれ、その答えにクフフと笑う。 「ボクも大好き」  そう答えると「また誘ってる?」と笑う彼は見惚れるほど格好良い。 「今度はボクが上ね」  そう言いながら彼に跨ると再び勃ち上がった彼の陰茎を自分の後孔に当てる。  ゆっくりと腰を落とし、先程まで抱かれていたせいでまだまだ柔らかい後孔に少しずつ少しずつ彼の陰茎を埋めていく。一気に挿れることも可能だけど焦らす方が喜ぶ彼のための、ボクなりの愛情表現。  ズズッと内壁を擦りながらボクの中を埋めていく陰茎はボクの痴態のせいか硬さを増し、お腹を、心を満たしていく。 「律希」  愛しそうにボクを呼んでくれる貴之のことが愛しくて、〈好きだな〉と思うだけで内壁が騒つく。 「ぅ…んっ」  ゆっくりゆっくり腰を下ろし、ペタリと座り込むようにすれば身体が密着し、貴之の恥毛がザラリと音を立てたような気がした。  されるがままに面白そうにボクを観察していた貴之だけれど、ボクがそっと下腹に手をやれば「煽ってるの?」と急に腰を打ち付ける。 「や…だ、まだ」  焦って逃げようとするボクの腰を掴み、二度、三度と腰を打ち付けボクが乱れる様を楽しみ「自分で動いて」と急に動きを止めてしまう。  突然襲った暴力紛いの快楽に動くことができず、そのまま貴之の上に倒れ込み首元に顔を埋めれば「律希の雑魚」と耳元で意地悪に笑い腰を揺らす。  本当はこの体位はあまり気持ちよくないけれど密着できるし、貴之は好きみたいだから好きにさせておく。 「律希、律希」  耳元で何度も声を呼んでくれるのが嬉しくてもっと喜んでもらえるように貴之が好きな声を上げる。何もできないボクを翻弄していると思い、打ち付ける腰の強さを増す貴之は可愛い。そんな風に思えば気持ち良さとは裏腹にボクの後孔は孝之を締め付ける。 「イくよ」  そう言って一際腰の動きを激しくし、大きく突くとそのままそのままボクの中に塗り付けるように二度、三度腰を動かし「ふぅ、」と耳元で息を吐く。  僕がイってない事に気付きもせずに…。  すぐに離れるのは興醒めかと思い、貴之の耳元で呼吸を整えながらわざと甘い声を出し、余韻を演出する。 「このままずっと一緒にいられたら良いのに…」  高校生の僕たちにはそんなことが許されるはずはないけれど、それでも望んでしまう2人の関係。 「俺だって律希と一緒にいたいよ」  僕の髪を漉きながら首筋にキスを落とす。「痕付けちゃダメだよ?」と冗談めかして言えば軽く喰まれ余韻で声を上げてしまう。 「もぅ、ダメだって」  そう言って貴之の陰茎を抜こうとそっと身体を起こすと〈まだ、駄目〉と言うように腰が付いてくる。 「もぅ、お終いだって」 「さっき、ずっと一緒にいたいって言ったでしょ?」 「ずっと挿れておきたいなんて言ってない。  ゃ、だ。  着いてこなくていいってば」  何度かそんなバカみたいなやり取りを繰り返し、身体を起こして陰茎を抜けば栓を抜かれたせいで貴之の出した白濁がボクの太腿を伝う。 「律希、やらしぃ」  ボクのことを見上げる貴之の陰茎は何となく元気を取り戻しているけれど、それを無視して身支度を始める。  本当はシャワーを浴びたいけれど、それは帰宅してからだ。「汗かいたから」と言えば親も何も言わない。  取り敢えず下着が履けるように白濁を拭い、ティッシュを丸めてゴミ箱に投げ入れる。あとは貴之が何とかするだろう。  抱かれた後の身体は気怠い疲労感に包まれているけれど、帰宅してシャワーを浴びるまでが一括りの行為。 「腰、大丈夫?」  いつの間にか部屋着に着替えた貴之がボクの腰を労われば、まだ余韻の残る身体は過剰に反応して貴之を笑わせる。 「えっろい顔してる。  誰にも見せたくないのに…」  そんな風に言ったところでボクが帰宅して、シャワーを浴びるところまでが一連の行為だ。 「いつか一緒に暮らせたら、こんな風に慌てて帰らなくても良くなるよね」  そう言ったボクを抱く寄せて「いつかな」と優しく頭にキスを落とす。 「じゃ、また明日ね」  玄関まで送ってくれた貴之とキスを交わし、僕は帰宅の途につく。 「早く一緒に住みたいな…」  ボクの願いは車の音にかき消された。
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