EPISODE2.5 Secret service

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「残念ですけど、お父さんはあなたにグループの座を明け渡すことはありません。お父さんはまだ生きてますし、希望だってあります」 何か言い返さなければ気が済まない。 少なくともこの男にグループの座は渡せない。 お父さん達が築いた三枝グループの地位を奪わせる訳にはいかない。 「なんだ?その座に着くのは私だとでも言いたいのか?」 「……覚悟はあります、あなたのような人に渡すくらいなら」 その瞬間、唐戸が弾けたように笑った。 「あぁっはっはっは!!羽菜、お前、いつの間に冗談が上手くなったんだなぁ。俺は嬉しいぜぇ?」 「冗談なものですか、三枝グループを守るためなら私は」 「いいや無理だね、それはお前が1番よく分かってんだろ?」 唐戸はそのまま意地の悪い顔を崩さずあることを告げた。 「お前、誘拐されてあんな事があったもんなぁ?だから兄貴も気が気じゃねぇんだろ?いつその秘密が知られるかなぁ?」 「ど、どうしてそれを?」 「そいつは簡単さ、だってあの誘拐事件も俺が依頼したんだからな」 その瞬間、頭の中が真っ白に染まる。 次々にフラッシュバックするのはあの日の忌まわしい記憶、攫われた瞬間、お父さんに助けを求めたこと、そしてーーー
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