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「あなたが、全部仕組んだんですか?」
「あぁ、グループのトップに立った後で惨めなアイツに見せつけてやるためにな。アイツのアキレス腱がお前なんだよ羽菜」
「……っ唐戸ぉ!!」
そのまま体当しようとしたところで軽く避けられる。
悔しい、悔しい悔しい悔しい!
何もかもこの男の掌の上で、私は何も出来ないままお父さんの首を絞め続けるなんて。
「そこまでにしてください唐戸様。それ以上の羽菜様への侮辱を見過ごす事はできません」
その間に割って入ったのはフランシスだった。
彼の金色の目が強く唐戸を睨みつけるも唐戸は憮然としたままだ。
「なんだぁフランシス、兄貴を裏切ったお前が今更羽菜の仲間面すんのか?」
「はい、未喜渡様や羽菜様への狼藉の数々は解体されても許されるものでは無いでしょう」
そう、確かにフランシスはお父さんを攻撃した。
それが正常な判断かどうかは別としても、グループは彼を許さない。
でもなぜ?どうしてフランシスはそんなことをしてしまった?
「ですが、私が裏切り者の汚名を被ってでも未喜渡様へ弓を引いたのは、羽菜様をお守りする為。そして仮に未喜渡様が羽菜様を害するのなら、次の総帥の下で羽菜様をお守りするという大義のため。それを示したのは唐戸様、貴方だったのでは無いのですか?」
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