エピソード1 藍野と結乃

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エピソード1 藍野と結乃

(スリープモード解除、躯体起動開始) 閉じていた網膜が開き、ディスプレイ越しに現在の情報が数値化される。 時刻は現在7時30分、冬のせいなのかこの時間になってもまだ仄暗い。 いや、もしかしたら先日導入した遮光カーテンのせいもあるかもしれない。 (手首及び足首の異常なし、懸念点は肩に感じる軽度な重み。昨日の疲れですか) やはりシャワーだけでは体の疲れは取れませんね、のんびりとお湯につかりたいところです。 さて私の主はと言えば、今日も机の上で眠ってます。 (・・・ベッドで寝ないと早死にするリスクは伝えたはずなんですけどねぇ) 私はアンドロイドなので椅子で寝てても大して問題はありませんがマスターはまだ若い身、自分の体は気遣ってもらわないと。 よく見たらパソコンも付けっぱなしですし、むしろよく寝れましたねそれで。 (さて、まずは起きてもらいませんと) 傍まで近づき眠っているマスターの体を軽くゆする。 「マスター、そろそろ起きてください。というかそんなところで寝てないでくださいよ」 「んん、ねむい・・・」 なんど揺すってもそう返すだけでまともに取り合ってはくれません。 仕方ない、強硬手段と行きましょう。 まずは閉じているカーテンを思いっきり開け、ついでに換気のためにドアも開けましょう。 「起きなさいダメマスター―――!!」 日光と寒気が暖房が切れた部屋内を容赦なく侵略し、そのまま眠っているマスターに直撃。 肩にかけた毛布だけでは寒いでしょう、そのまま縮こまってないでいい加減起きなさい。 「さ、寒い。寒いぞ藍野・・・」 「そう思うのなら起きてください、そんでお風呂にでも浸かっててください」 「分かった、分かったからドア閉めてくれ、凍える」 ようやく目を覚ましたマスターにバスタオルを投げつける。 これでそのまま二度寝でもしようものならもう引っ張ってでも風呂場に入れようかと思いましたが杞憂でしたね。 さて、その間に私は朝食の用意でもしましょうか。
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