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転位トラップ
「――転位トラップ。このダンジョンには、どの程度いるんだろうか」
そう、ヤツの名前は【転位トラップ】
通称【転プレ】
なぜそんな名前なのかと言うと……この話をすると、長くなるんだが――。
そう……僕たちが、ダンジョンに潜り始めた10年前――。
《10年前から発生し始めた新しいダンジョンに、突如として現れた転位トラップにより、被害は拡大し、多くの冒険者が皮肉として言い始めた、その名前を捩っただけでアル》
「……僕のセリフが」
「貴方に語らせたら、長くなるのは目に見えていますからね」
仕方ないな……話を戻そうか。
ダンジョンには沢山のトラップが存在する。実は魔物よりも、脅威だったりするんだよ。
それは、この世界にトラップが分かる便利な魔法道具や、ジョブも存在しない。
だからこそ、類まれな勘と、強運によって、僕たちのような地図を作る者たちがいるんだ。
そして、その者たちを【ダンジョンマスター】と呼ぶのさ。
《経験による知識と、残りわずかな幸運の賜である――そして、ダンジョンマスターは、自称にすぎナイ》
まぁ、要するに……イケメンな僕は、みんなの道標にならないといけないからね?
《それを、他人は尊い犠牲と言ウ》
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