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「ほんで、何のバイトやねん? 何や最近かなり金持ってたみたいやからなぁ。さぞ高収入のバイトなんやろ? 白状せぇ! ホストか!?」
大沢の発言に一瞬時間が止まった……が、次の瞬間には米倉の笑い声が部室中に響き渡っていた。佐藤=ホストとは余りにピッタリしすぎていて、冗談に聞こえなかったのだろう。185センチと云う高身長に、中性的で端正な容姿、切れ長な瞳は冷たい印象を与えるが笑えば世界中の女性を虜にしてしまいそうなほどに柔くなる。そして校則ギリギリである少し赤みがかった茶髪。ダーク系のロングコートを着て深夜の街を歩いていれば、十人が十人佐藤の事をホストだと思う事間違いないだろう。
「冗談キツイよ、大沢くん。ンなわけないじゃん」
「じゃあ何やねん。云うてみぃや!」
「……やってないだけだよ」
「はぁ!? やってない~? マジで!? お前、ここの生徒とちゃうやろ!」
大沢は佐藤の座っている椅子の背凭れを両手で掴むや、有り得ない、と云うように佐藤の椅子をガタガタと揺さぶり始める。
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