プロローグ

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 そして例に漏れず、ハルトもちゃっかりしっかりバイトをしている。しかも“売春”と云うバレれば即退学どころか警察沙汰になりそうな“ヤバイ”バイトを、だ。  何故ハルトがそこまでのリスクを背負いながらも、この危険なバイトを続けているのか……それは本人にも分かっていないのかもしれない。分かっているのは、本当に欲しいものは体を繋いで得る金ではないと云う事。金が欲しくて体を売っているわけではないのだ。  しばらくぼんんやりと天井を見つめていたハルトだったが、大きく深呼吸をすると反動でベッドから起き上がり立ち上がる。 「仕事も終わった事だし、さっさと帰りますか」  そう独り呟きながら、彼はクローゼットに掛けておいた私服をハンガーごと引っ張り出してベッドの上に放った。  蒸し暑い夏が過ぎ暦の上では秋になろうとしているが、肌を灼く太陽の威力はまだまだ衰えを見せない今日この頃。時折吹く涼しい風に「秋かな?」と思うくらいである。
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